アメリカにおける政策分析
上野真城子(アーバン・インスティテュート)
角南 篤(コロンビア大学大学院公共政策フェロー) アメリカには政策分析が多元的に存在し、政策分析を実際に政策につなげる役割を果たす多数の政策アナリストが存在する。アーバン・インスティテュートのG.
ピーターソンは、近年のアメリカの財政と税制改革のパラダイムシフトは、幾人かの高い専門性を持つ政策アナリストが、一般の人が理解できる言葉で積極的な言論執筆活動を行なうことによって自らの政策分析を伝え、世論を動かして政治過程に影響を及ぼした結果であると分析している。アメリカで最も評価の高い政策アナリストの一人であるアリス・リブソンがいうように、アメリカ社会にとって政策分析と政策アナリストはきわめて重要であり、現在のアメリカの成功は「政策の成功」なのである。
政策分析の目的は学問の発展ではなく「問題解決」であり、政策分析は大学に代表される学問の府だけから生まれるのではない。アメリカにおける政策分析の供給者は、非営利独立シンクタンク、大学や大学院と高等研究機関、営利シンクタンクなどである。図にあるAPPAM(Association
for Public Policy Analysis and Management)は公共政策に関わる政策研究者・実務家・学生等とシンクタンク・大学・政府機関等による専門家集団組織である。また、政策分析の需要者(顧客・スポンサー)は民間財団、政治家、市民である。政府機関は、政策分析の需要者であり、同時に供給者でもある。
アメリカでは、政策研究、政策評価そして政策分析は社会の公共財であり、それは多様な場でなされる必要があると考えられてきた。多元的、分散的、独立的な政策分析研究組織と機構が必要だということであり、そうした環境のもとで数多くの優秀な政策アナリストが生みだされている。
次回からの「政策分析レヴュー」では、海外(アメリカや国際機関)で政策研究や政策分析に携わる研究者グループ(政策研究者海外ネットワーク)が、現在のアメリカの政策論争や最新の政策研究の動向を報告することにしたい。

この論文は1999年度東京財団とPRANJとの共同プロジェクトです.
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