同時多発テロに関連して

 羽川 綾子 さんへ  ご意見へのコメント  (2001年9月25日投稿)

 加瀬みき :アメリカン・エンタープライズ政策研究所 客員研究員

おっしゃるように原因を探ることは重要です。イスラム諸国や原理主義、アフガニスタンやタリバンの歴史、さらにはアフガニスタンの北に位置する元ソ連圏であるウズベキスタンやカザクスタンとアフガニスタンの関係など基本的な情報が日本の新聞では不足しています。欧米、特にヨーロッパの報道機関ではそのあたり詳しく取り上げています。そもそもアフガニスタンのタリバンに加わっているひとびとがどのようにして加わったか、女性がどのような虐げを受けているか伝わっているでしょうか。男の子、特に貧しければ貧しいほど早くから原理主義の学校に行かされ〔行くというのは、行ったっきり、家族のもとには戻れないということです)コーラン以外は読ませてもらえません。家族であろうと女性との接触はなく、故にgayは多いといわれています。

さらに日本ではなかなか理解できないのはイスラエルとパレスチナの問題です。が基本的に頭に入れておくべきことは、イスラエルという国家の成立は国連で正式に承認されていること(南アの白人とは違いイスラエル人は侵略者ではありません)、そしてその国家をパレスチナまた周辺のアラブ諸国が滅亡させようとしていることです。国連で決定されたイスラエルの領土を最初に侵したのもパレスチナです。イスラエルがbin Ladenのような人々のテロ行為により滅亡するのは正しいことでしょうか?また彼らにとってアメリカが「敵に」なったのは冷戦終結後、つまり他に戦う相手がなくなりアメリカが繁栄と自由の象徴になってからです。でもアメリカはイスラエルが成立してからずっと支援してきました。

次に今回の攻撃は本当にイスラエルに味方するアメリカに対する攻撃と単純に考えていいのでしょうか。もしそうであればなぜヨーロッパ各国そしてロシアまでもがここまで味方するのでしょうか。フランスは伝統的にアラブよりの国です。湾岸戦争時、フランス空軍は自国がイラクに売った戦闘機と見分けがつかない可能性があると言われていました。フランス大統領の汚職事件とアラブの石油は深く絡んでいます。そのフランスですら、派兵もいとわない姿勢をみせ、また特殊部隊は米英特殊部隊と行動をともにするようです。

アメリカとともにテロと戦うと宣言し、NATOの第5条を始めて発動し、あるいはEUとしても全面的指示を発表したヨーロッパ各国もアメリカに白紙委任状を渡しているわけではありません。もちろん十分な証拠もないのに自国民を危険にさらすようなのんきなリーダーはいません。〔日本の後方支援と違い彼らは自国民を前線に送る可能性があるのです)ヨーロッパでの報道によれば先週既にFBIからヨーロッパ各国の諜報機関への証拠説明および作戦の説明があったそうです。ブッシュ大統領と先週会談しているブレアー首相やシラク大統領などには当然説明があったでしょう。日本に説明があるか、どの程度の説明があるかは日本がどれだけ協力する姿勢があり、また伝える情報が漏れないかにかかっているでしょう。

私もやはり今回の攻撃はアメリカが象徴する自由、民主主義そしてそれらがもたらす繁栄に対する攻撃だと思います。日本は第3者として評論家となったり、非難されないよう手を貸すという姿勢ではなく、当事者として可能な形で「参加」すべきではないでしょうか。

 


Copyright(C)1999-2001 Policy Research & Analysis Network 許可無く転載することを禁じます。