同時多発テロに関連して

テロの「動機」の検証を (2001年9月19日投稿)

羽川 綾子

PRANJからのレポート毎回楽しみにしています。

日本は このようなテロの「動機」となった事象を検証し、世界に発信する責任があります。
テロの「手段」を非難しても 良い方向へのアクションにはなりません。

今、日本にいる者にとって必要な情報は、なぜ、このようなテロが起きたのか、その原因を根っこから探るための判断材料です。

ラディン氏を怒らせた直接の原因が 「イスラエルがパレスチナを殺すこと」なのだとしたら、(下記、レポート参照)直接の当事者であるイスラエル発の説明があってしかるべきです。 または イスラエルの立場や政策を分析する、第三者の意見が必要です。

日本の報道では 事件後一週間経過しましたが、原因の根底についての歴史や政治背景などの分析がされていません。不思議というよりほかありません。「むこうがやるから、こっちもやる」 では 不十分です。

アメリカが ラディン氏を主要な容疑者と断定し 各国に協力を求めるならばその証拠を示したうえで、世界に協力を求めるべきです。証拠がなければ、テロ防止には全面協力できても、武力行使の是非は判断できません。

(それとも、各国当局へは もう説明がなされているのでしょうか?)そうでなければ、世界の民意と 先進国の政治が行おうとしていることに甚だしい違和感が生じるでしょう。


古川勝久  :
CFR 外交問題評議会研究員  が記した「今回の事件はアメリカ一国に対するテロ攻撃だけではなく、日本に対する、そして国際社会全体に対する宣戦布告としてみなされるべきであろう。」 これは常套句になりつつある発想ですが、危険だとおもいます。

合衆国は「資本主義の自由 
VS イスラム原理主義過激派」 という戦いの図式を 世界中に構築したがっているようにみえます。が、日本は もっと冷静になって このようなテロの「動機」を真剣に考えたほうがよさそうです。

犯罪者の罪を立証するなら すべての可能性を検証し、 ひとつひとつ疑惑をつぶしていく。 それが秩序だったやりかただと思います。

南アフリカの「白人侵攻」問題を 「人種差別」の問題とすりかえ人種平等を訴えることで 白人は 現在も侵略の地に住み続けている。黒人は 人種平等を唱えた以上、侵略者である白人を責めることができなくなったという意見があります。

南アの白人をイスラエルのユダヤ人におきかえたらどうでしょうか。

パレスチナに「侵攻」した とはいわず イスラム勢力と西側との対立にしたてあげ和平を唱えることで イスラエル の土台を強固にする・・・そのような 事故後の事象を想定すると資金力が豊富なユダヤ勢力は 損するでしょうか。得するでしょうか。

考えすぎかもしれませんが。 検証する必要はあります。

「被害者アメリカへの全面的支持」 が そのまま「アメリカが言うこと全てを支持」と解釈され 日本の政策まで合衆国の戦略に翻弄されるのは 非常に危険です。

【引用】
JapanMailMedia 09/18/01 No.132 Tuesday Edition
 山本芳幸   :国際公務員(UNHCR Kabul office, Officer-in-Charge
 「オサマ・ビン・ラディンという現象」
を引用すると ラディン氏のコメントは以下のとおり。

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約10年に渡り、オサマはソ連を相手にアフガニスタンでアラブの義勇軍の指導者と
して聖戦を戦った。サウジアラビアに帰った彼は賞賛と寄付金のシャワーを浴び、あ
ちらこちらのモスクで演説をしてほしいという招待を受けた。彼の演説のカセットテ
ープは発売されると同時に売りきれた。25万本以上のカセットテープが売れたと言
われる。このテープは現在、発禁処分になっているが、これに含まれた演説で彼は、
アメリカ外交を痛烈に批判し、アメリカ商品のボイコットを呼びかけている。

「我々がアメリカの商品を買うことによって、我々はパレスチナ人を殺す共犯者とな
っているのだ。アメリカの企業はアラブ世界で莫大な利益を上げ、そこからアメリカ
政府に税金を払っている。その金を使って、アメリカ政府は年間30億ドルもの大金
をイスラエルに送り、イスラエルはその金を使ってパレスチナ人を殺しているのだ!」
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