核武装について
| 核武装について (2001年7月11日投稿) PRANJレポート第12回「当事者としての安全保障」についてご意見を頂きました. 竹谷 幸大 (パート事務員) 私は日本の核武装には反対です。なぜなら、現在先進国で核武装していない国の心理を考えれば明らかです。過去に一人の失言によって金融恐慌が起こったように、日本の核武装が引き金となり、非核武装国の不安心理を引き起こし、いわば核恐慌のごときものを引き起こしかねないからです。核武装競争が始まれば疑心暗鬼を生み最終的に戦争も避けられないのではないかと思います。第一次世界大戦も一人の暗殺者が引き金となりました。日本が核恐慌の引き金を引くべきではないと考えます。先進国でまた、唯一の被爆国として日本の立場と責任は極めて重要です。むしろ、この立場を利用し、核保有国に対する外交カードとして利用すべきです。核武装には絶対反対です。 ―――― 竹谷幸大様 加瀬 みき (AEI アメリカンエンタープライズ研究所) まず私も日本の核武装には反対で、決して核武装を考えろと書いたつもりはありません。道徳的な問題、核は必要悪か、防衛上有効か等という問題とは別に日本が核を保有することは、geopolitics上も、もっと単純に地理的条件を考えても理屈にあいません。 冷戦中西ドイツが核を保有したら第3次世界大戦が起こると恐れられました。それは西ドイツが戦争を始めるというよりは、始めないようソ連が行動を起こすということです。またアメリカもドイツが核への道を歩み出したら北大西洋条約から撤退すると脅迫したといういきさつもあります。同じく日本が核を持つことは周辺国が許さないのは今も同じです。竹谷さんがおっしゃるとおりです。核という言葉を出すだけで、周辺の緊張は高まり、無意味な戦力増強が始まります。 こういったgeopolitics上、国際関係上の観点とは別にもっと単純に日本が核をもつことはできません。少なくとも自国の核を製造することはできません。佐藤内閣当時秘密の内に日本の核保有が検討されましたが、その時国際関係上の配慮とは全く別に保有は無理と判断された理由は、そもそも実験をするところがないからです。アメリカなどの核保有国に実験を依頼することはできますが、相手が引き受けるはずもありません。こういった非常に単純な理由からも日本は核は持てません。 しかし、物理的に核を持たないというのと知識をもたないのは全く別問題です。核保有国の核戦略を理解し、そこに影響を与えられなければ、その使用を防ぐこともできません。例えばアメリカが戦闘に巻き込まれた場合、兵器がエスカレートしないよう、例えば核の使用を遅らせるにはどうするか、あらかじめ戦略策定に影響を与えられなければ戦争がはじまってからでは手遅れです。自国が核を持たないからこそ、持つ国の戦略にいかに影響を与え、いかに戦争を防ぐかを真剣に考えるべきだと思うのです。
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